【26卒・27卒・28卒】美大生でなくてもゲーム業界の3DCGデザイナーになれる?大学1年から準備する方法とクリアすべき課題を徹底解説!
学生さんから「美大に行かなくても3DCGデザイナーになれるの?」って、よく質問されます。
実際のところ、ゲーム業界では、美術大学出身でなくても十分に活躍できるチャンスがあります。今回は、特に大学1年生のうちからどうやって準備していくか、そして3DCGデザイナーとしてのキャリアを築くためにクリアすべき課題を徹底的に解説していきます!
そもそも美大生でなくても3DCGデザイナーになれるのか?
結論から言えば、「YES」です!ゲーム業界で3DCGデザイナーになるために、美術大学に通う必要は必ずしもありません。大切なのは、画力や技術力、そして何よりも情熱です。もちろん美術大学はデッサンやデザインの基礎を学ぶために役立ちますが、独学や専門学校でも、十分なスキルを身につけることが可能です。特にゲーム業界では、MayaやBlenderなどの3DCGツールを使いこなす技術が求められるため、ソフトの習得が一番のカギです。
大学1年生のうちからやっておきたいことは?
3DCGソフトを今すぐダウンロードしてみよう!
まず最初のステップは、MayaやBlenderなどの3DCGソフトをインストールし、実際に触ってみること。これらはゲーム業界で標準的に使われているツールで、基本操作を早い段階で習得することが、将来の3DCGデザイナーへの第一歩となります。両方とも初心者向けのチュートリアルが豊富に用意されており、YouTubeやオンライン学習プラットフォームで無料で学べるリソースもたくさんあります。大学1年生の今から取り組んでおくことで、時間をかけて技術を磨けますよ。
画力の向上に努めよう
ゲーム業界では、モデリングの技術だけでなく、画力も重要です。高品質なキャラクターや背景を作成するには、デッサンのスキルが基礎となります。美術大学に通っていないからといって、デッサンやイラストの練習を怠ってはいけません。アナログの絵を描く習慣や、デジタルイラストの練習も並行して行うことで、モデリングやテクスチャの作成に役立つ視覚的なスキルを磨くことができます。
3DCGデザイナーに必要なスキルとは?
ソフトウェアを徹底的にマスターする
3DCGデザイナーに不可欠なスキルとして、MayaやBlenderといった3DCGソフトの操作は避けて通れません。特に、キャラクターモデリングや背景デザインはゲーム開発の重要な部分を占めるので、ソフトの基本的な機能はもちろん、UVマッピングやテクスチャリングなどの高度な技術も習得しましょう。自分のペースでソフトの全機能をマスターすることを目指し、オンラインコースや公式ドキュメントを活用すると効率的です。
トポロジーやリギングも理解しよう
単に3Dモデルを作るだけではなく、トポロジー(ポリゴンの配置)やリギング(骨組みを使ったアニメーションの設定)の基礎知識も必須です。特にアニメーションを担当する場合、モデルの動きがスムーズで自然に見えるかどうかは、トポロジーやリギングに大きく影響されます。これらの技術を学ぶことで、より高度なプロジェクトに挑戦できるようになります。
MayaとBlenderの主な違い
新卒で3DCGデザイナーを目指すにあたって、MayaとBlenderのどちらを学ぶべきかは、就職したいゲーム会社や業界によって異なりますが、両ソフトにはそれぞれの利点があり、理解しておくことが大切です。
Maya
- 概要: MayaはAutodesk社が開発した3DCG制作ソフトウェアで、業界標準として多くのプロのスタジオで使用されています。特に、映画やアニメーション、ゲーム業界で幅広く使用されています。
- 特徴: Mayaはキャラクターアニメーションや複雑なシーンのレンダリングに強みを持っており、特に大規模なプロジェクトやチームでの使用に適しています。モデリングだけでなく、リギング、アニメーション、シミュレーション、レンダリングなど、非常に幅広い機能を提供しています。
- プロ仕様: 大手のゲーム会社やアニメーションスタジオではMayaを使っているところが多く、業界標準ツールとしての地位を確立しています。したがって、Mayaを使えることは、大手企業への就職に有利になることが多いです。
Blender
- 概要: Blenderはオープンソースの3DCG制作ソフトウェアで、無料で使用することができます。近年、急速に進化し、非常に強力なツールセットを持つようになっています。
- 特徴: Blenderはモデリング、アニメーション、リギング、シミュレーション、ビジュアルエフェクト、レンダリング、ビデオ編集まで、すべての機能を一つのソフトウェアで提供しています。加えて、ユーザーコミュニティも非常に活発で、豊富な無料リソースやチュートリアルが提供されています。
- クリエイター向け: 小規模のスタジオやインディーゲーム開発者、フリーランスのクリエイターにはBlenderを使っているところも多く、個人のポートフォリオ制作にも適しています。特に、コストがかからないため、初心者が始めやすいという利点もあります。
MayaとBlenderの料金比較
ソフトウェアのコストは、就活生やこれからキャリアをスタートする人にとって重要な要素です。
Mayaの料金
Mayaは有料ソフトウェアであり、個人利用に対しても料金が発生します。
- 年間ライセンス: 約25万円(2024年現在)
- 月額ライセンス: 約35,000円/月
ただし、学生版は無料で提供されています。
Blenderの料金
Blenderはオープンソースであり、完全に無料です。これは新卒やフリーランスで仕事を始めたい人にとって大きな利点です。無料で商業利用も可能で、プラグインやアドオンも豊富に揃っています。
どちらを学ぶべきか?
MayaとBlenderのどちらを学ぶべきかは、就職したい会社やキャリアパスによって異なります。
Mayaを学ぶべき人
- 大手企業を目指す場合: 大手のゲーム会社やアニメーションスタジオでは、Mayaが業界標準として使用されていることが多いため、Mayaのスキルは大きなアドバンテージになります。特に、スクウェア・エニックスやバンダイナムコ、カプコンなど、AAAゲーム開発に携わる企業はMayaを使用しているため、これらの企業を目指すならMayaを学ぶことが重要です。
- アニメーションや映画業界も視野に入れている場合: 映画やアニメーション制作においてもMayaが使われることが多く、キャラクターアニメーションやシミュレーションを専門にしたい場合は、Mayaが有利です。
Blenderを学ぶべき人
- フリーランスやインディー開発を目指す場合: 無料で利用できるBlenderは、フリーランスやインディーゲーム開発者には非常に有利です。また、最近ではBlenderの性能が大幅に向上し、プロジェクトによってはMayaに劣らない結果を出すこともできます。小規模スタジオやスタートアップ企業ではBlenderを使っていることも多く、Blenderのスキルが重視されることがあります。
- 初期コストを抑えたい場合: Mayaは高額なライセンス料がかかりますが、Blenderは無料です。したがって、コストを抑えて学習を始めたい学生や初心者にはBlenderが適しています。
MayaとBlenderを両方学ぶ選択肢
実際には、MayaとBlenderの両方を学んでおくと最も有利です。多くのゲーム開発スタジオや企業はMayaを使用していますが、Blenderの普及も進んでいます。どちらか一方に限定せず、両方のソフトウェアに習熟することで、より多くの就職先やキャリアパスが広がります。
また、基本的なモデリングやアニメーションの概念は共通しているため、一度BlenderやMayaの操作を習得すると、他のソフトへの移行も比較的スムーズです。したがって、まずはBlenderで基礎を学び、その後Mayaの専門的な機能に移行するという学習方法も有効です。
具体的にどんな作品を作ればいいのか?
キャラクターモデリングを極めよう
キャラクターモデリングは、3DCGデザイナーのスキルを示すための代表的な作品の一つです。ゲームで使用されるキャラクターのモデルは、リアリスティックな人物像からファンタジークリーチャーまで多岐にわたります。最初は基本的な人間の形を作成することから始め、徐々に複雑なキャラクターや異なるスタイルを試していきましょう。例えば、ファンタジー系のキャラクターは、アニメ調のスタイルにするか、写実的なスタイルにするかで大きく見栄えが異なります。
また、テクスチャリングにも挑戦してみてください。モデリングだけでなく、キャラクターの表面にテクスチャを適用することで、質感や立体感が大きく向上します。Substance Painterなどのソフトを使って、リアリスティックな肌や金属、布の質感を再現することで、ポートフォリオに深みを持たせることができます。
背景や環境デザインにも力を入れよう
キャラクターのモデリングだけでなく、背景や環境のデザインにも取り組むことをお勧めします。ゲーム内の風景や建物、インテリアなどをデザインすることも重要なスキルです。特に、RPGやオープンワールドゲームでは、プレイヤーが探索する大規模な世界が必要です。そのため、自然環境(山、川、森など)や都市環境(建物、通り、公園など)を作成する能力が評価されます。
背景デザインを練習する際には、ライティングにもこだわりましょう。光の当たり方や影の表現が背景の雰囲気やリアリズムを大きく左右するので、リアルタイムレンダリング技術にも習熟しておくとよいです。
ゲームのプロトタイプを作成してみよう
さらに上級者向けの課題として、簡単なゲームプロトタイプを作成することも一つの手です。モデルを作るだけでなく、それをゲームエンジンに組み込んで動かす体験は、ゲーム開発の流れを理解する助けになります。Unreal EngineやUnityを使って、キャラクターや背景を動かすシーンを作成したり、簡単なアニメーションを付け加えてみたりしましょう。
ゲームのプロトタイプは、ゲームデザインやプログラミングの知識も必要になりますが、3DCGデザイナーとして他の分野に対する理解が深まるため、実践的なポートフォリオとして非常に有効です。
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チーム制作経験を積む方法
学内でのプロジェクトに参加しよう
チーム制作の経験は、ゲーム業界で非常に重要視されます。ゲームは基本的に複数の職種が協力して作り上げるものなので、個人のスキルだけではなく、他のメンバーとのコミュニケーション能力や協力スキルも求められます。大学内のゲーム制作サークルやプログラミング部に参加することで、他のメンバーと共にゲームを制作する機会を得られるでしょう。
また、大学外でも、インディーゲームコミュニティやオンラインの制作チームに参加するのも一つの手です。チームでの制作経験は、プロジェクトの進行管理やデザインのフィードバックを通じて、実践的なスキルを身に着けることができます。
ゲームジャムで実践的な経験を積む
短期間でゲームを完成させるイベントであるゲームジャムは、即席チームを組んで、短期間で実際のゲームを制作する絶好の機会です。ゲームジャムでは、アイデアの出し方から実装まで一連のプロセスを経験できるため、非常に実践的なスキルが身につきます。特に、3DCGデザイナーとして参加する場合は、限られた時間内でクオリティの高いモデリングやアニメーションを作成する技術が求められます。
日本国内でも多くのゲームジャムイベントが開催されており、参加することでポートフォリオの充実にも繋がります。また、海外のゲームジャムにオンラインで参加することも可能ですので、グローバルな視点でのゲーム開発経験を積むことができます。
ポートフォリオの充実と構成
3DCGデザイナーとして就職するために、ポートフォリオは最も重要な要素です。ポートフォリオは、自分の技術力やクリエイティブな発想力を伝えるための自分の作品集です。採用担当者が最初にチェックするものですから、内容はしっかりと作り込みましょう。
バランスの取れた作品を掲載しよう
ポートフォリオには、キャラクターや背景、アイテムなど、さまざまなジャンルの作品をバランスよく掲載することが大切です。特に、特定のジャンルに偏ることなく、幅広いスキルをアピールできるように構成しましょう。例えば、キャラクターを一体作成するだけでなく、そのキャラクターが活動するシーン全体(背景や小物も含む)を作成し、一つのストーリー性を持たせると、より一貫性のあるポートフォリオになります。
WIP(制作過程)の公開も効果的
ただ完成作品を並べるだけではなく、WIP(Work In Progress:制作過程)を公開するのも効果的です。採用担当者は、単に完成品を見るだけでなく、そのプロジェクトがどのように進んでいったのか、どのような技術やツールを使ったのかも気になります。制作過程を順を追って説明することで、自分の制作フローや問題解決能力もアピールできます。
アニメーションやゲームエンジンの使用もアピール
ポートフォリオには、アニメーションやゲームエンジンでの実装例も含めると効果的です。3DCGデザイナーとして、静的なモデルだけでなく、動きやインタラクティブな要素を組み込む能力も重要視されます。特に、Unreal EngineやUnityを使って、モデルが実際にゲーム内でどのように動作するのかをデモンストレーションできると、大きなアピールポイントになります。
ポートフォリオがある程度できあがったら、添削アドバイスをもらいましょう。
美術大学以外の3DCGデザイナーの採用実績のあるゲーム会社
美大卒以外の3DCGデザイナーを採用しているゲーム会社は実際に存在します。多くのゲーム会社では、学歴よりもスキルや実績、ポートフォリオを重視している傾向があります。特に3DCGデザイナーは技術的なスキルが非常に重要であり、美大卒でなくても優れた作品や経験を持っていれば、採用される可能性は十分にあります。以下は、学歴に関わらず3DCGデザイナーを採用している可能性がある代表的なゲーム会社の一部です。
スキルや実績ではありますが、ゲーム会社が求めるレベルは超絶に高いです
美大卒の中でもゲーム会社から内定でるひとはほんの一握りって聞きますからね・・・
コーエーテクモゲームス
コーエーテクモゲームスでは、ポートフォリオを重視した採用を行っており、美大卒でなくても3DCGデザイナーとして活躍している社員がいます。特に「無双」シリーズや「仁王」などで知られるこの会社は、多様なバックグラウンドを持つデザイナーを採用しています。
サイゲームス
サイゲームスも、学歴よりも実力主義の文化が強い企業です。『グランブルーファンタジー』や『ウマ娘』などで知られており、社内のアーティストやデザイナーの中には、美大卒以外のバックグラウンドを持つ人もいます。重要なのは、3DCG制作のスキルや作品の質です。
バンダイナムコスタジオ
バンダイナムコスタジオでは、美大卒に限らず、多様なバックグラウンドを持つ3DCGデザイナーを積極的に採用しています。特にUnreal EngineやUnityを使った実践的なスキルが重視されており、ポートフォリオの充実が重要です。
プラチナゲームズ
アクションゲーム開発に強みを持つプラチナゲームズも、美大卒に限らず、スキルと実績を重視して採用を行っています。『ベヨネッタ』シリーズや『NieR』で知られるこの会社は、幅広いクリエイターが集まっており、技術力があれば美大卒でなくてもチャンスがあります。
スクウェア・エニックス
スクウェア・エニックスも、学歴に制限を設けていません。『ファイナルファンタジー』シリーズや『ドラゴンクエスト』シリーズなど、多くの作品を手がける同社では、ポートフォリオの内容が非常に重視され、美大卒以外でも3DCGデザイナーとして採用された実績があります。
カプコン
カプコンでは、特に『モンスターハンター』や『バイオハザード』シリーズで知られ、学歴に関わらず実力が評価されます。採用ページでも、ポートフォリオの提出が求められており、美大卒以外でも採用された実例が報告されています。
フロム・ソフトウェア
フロム・ソフトウェアは、『ダークソウル』シリーズや『エルデンリング』で有名ですが、学歴よりも3Dモデリングやアニメーションのスキルを重視する会社です。特にアクションゲームに特化したデザイン力が求められ、美大卒以外でも優れたデザイナーが活躍しています。
まとめ
ゲーム業界で3DCGデザイナーとして成功するためには、技術力と情熱が必要です。
美術大学に通っていない場合でも、3DCGソフトを使いこなすことで、十分にキャリアを築くことができます。MayaやBlenderを駆使してキャラクターや背景を制作し、ポートフォリオを充実させることが成功への第一歩です。今からできることを積み重ね、将来の夢を実現するための準備をしっかりと進めていきましょう!